学習 経済

経済初級の書!これを読んでおけば間違いない!?世界経済の初級者はこの本から!

前回の記事では日本史と世界史の分かりやすい本についてご紹介してきました。

今回は同じシリーズの世界経済の歴史の本についてご紹介していきたいと思います。

タイトルは「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 経済編」で著者は以前よりご紹介している2冊の本と同じ、山崎圭一さんです。

このシリーズは内容が本当にわかりやすく、そしておもしろかったです。

特に歴史を今から学び始める初級者の方には山崎圭一さんの本が一番わかりやすいと思うので下記にご紹介リンクを掲載しておきます!

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さて私がなぜ歴史を学んでいるのか、再度目的をお伝えしたいと思います。

まず経済を考える上で歴史はとても重要だと思っています。

そして現在世界はこの長い人類の歴史の中で見ても異常なスピードで変化しています。

世界の経済市場で次にどのような変化や波が来るのか経済学者でも予測を立てづらい時代です。

そんな時代に生きる私たちが世界に飲み込まれず、自分の生活を豊かにするためには歴史や経済を学んでいくのは必須であると感じています。

歴史や経済を学んだからと言って、必ずしもこれからの時代に合った生き方が出来るわけではないかもしれませんが、先を読んでいく力をつけることは出来ると思います。

先を読む癖をつけることである程度の準備は出来ますし、臨機応変に対応していくスキルも備わっていくと思います。

それでは本書の概要からご紹介していきたいと思います。

「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 経済編」の概要

概要

以前ご紹介した日本史の教科書については政権担当者が主役に話が進められていました。

そして世界史の教科書では4つの地域を主役に話が進められていました。

今回ご紹介する「一度読んだら忘れない世界史の教科書 経済編」では「お金の流れ」をもとに説明が進められています。

貨幣の誕生や銀がもたらす影響、そしてその後の世界の動きとお金がどういった流れで動いていくのかが世界情勢を背景に細かく説明されています。

以前もご紹介しましたがこのシリーズの特徴は一切年号が出てこないところです。

年号が出てこないことで時代の流れが切られることなく、とても頭に入ってきやすいです。

内容の詳細は下記となります。

  1. 貨幣の誕生
  2. 結ばれる古代帝国
  3. イスラームとインド洋
  4. 進む貨幣経済
  5. 世界を駆け巡る銀
  6. 覇権国家の交代
  7. 拡大する帝国
  8. 恐慌から分断へ
  9. 超大国の綱引き
  10. 一体化する世界

この本を読んでみて感じたこと

日本の発展について

これからの世界を引っ張っていくのは若者なのに現在の日本では高齢者優遇の政治がずっと行われています。

しかしこれから日本を明るい国にしていこうと思うと若者に優しい国にする必要があるのは明確です。

若者に優しい国にすることで若くて優秀な人材の流出を防げると思いますし、そもそも政治や経済に関心を持つ若者が増えるのではないでしょうか。

ですがそもそも高齢者優遇の政治が行われている理由としては、若者の政治への関心のなさと投票率の低さが考えられます。

政治への関心のなさに関して考えてみると、様々な制度が複雑すぎるので食わず嫌いな若者はとても多いと感じます。

ここに関してはもう少し義務教育に政治的観点を含んだり政治用語を教育に含むのが改善策ではないかと感じています。

そして投票率の低さに関してですがそもそも論で考えてみても、若者の投票率が上がったところで高齢者人口の方が多いので、若者に優しい政治家が当選するのは難しいのではないでしょうか。

国を挙げてもっと若者が投票に行きたくなるような仕組みを作ることが日本発展への近道なのではないかと思います。

この本を読んで勉強になったこと

経済の起源

遠い昔、人間は動植物を狩ったり採ったりして生活をしていました。

この頃は獲得経済と言って食料の保存がききませんでした。

しかし人間は農耕や牧畜といった食料の生産方法を生み出します。

この生産方法は比較的保存がきくため、余剰生産物が出来るようになります。

この余剰生産物こそが経済の起源です。(生産経済)

そして余剰生産物を貸したり借りたりして物を貨幣の代わりに使っていました。(物品貨幣)

コイン(お金)の起源

コインはリディアというアジアの小半島で最初で使われ始めました。

このコインは金から作られていたのですが、コイン1枚1枚を同じ重さにしても最初はだれも信用しませんでした。

しかし少しずつリディアのコインはどれも同じ重さという認識が広がり、お金としての価値を持つことになりました。

金という価値だけでなく、お金そのものに信用という価値が生まれた瞬間でした。

国の衰退の原因ともなるインフレ

歴史上で度々出てくるインフレによる国の衰退ですが、ローマ帝国もそれに当てはまります。

ローマ帝国はとても巨大な帝国でしたが、国の拡大傾向が止まってくる時期がありました。

そこで経済が苦しくなってくるのですが、巨大帝国だったので国の維持費は莫大にかかります。

そこでお金に含まれる銀の含有量を減らしたり、コインを小さくしたりしました。

こういった政策からお金の信用はどんどん失われていきます。

そこからお金の価値が失われていくので、物の価値が上がるインフレーションが起こりました。

これは国の衰退を加速させる原因となりました。

荘園制について

日本や中国でも出てきた荘園制ですが、ヨーロッパでも行われていました。

イスラームの起源

一般的に町や国が豊かになると貧富の差は拡大します。

こうした社会情勢の中で登場したのがムハンマドでした。

ムハンマドはイスラームを創始し、神の前で信者は平等であると説きました。

ここからイスラム教の長い歴史は始まります。

紙幣の起源

唐の時代で遠隔地取引が盛んになってきたころも基本的に銅銭が使用されていました。

しかし銅銭は輸送コストもかかる上に大量に遠方まで運ぶことが困難なため、飛銭というものが使用されるようになります。

飛銭は手形のような役割を持っていて、これが紙幣の起源です。

日本の本格的な貨幣導入時期

これは皆さんもご存じかもしれませんが、日本では飛鳥時代に和同開珎というお金が本格的に流通するようになりました。

十字軍によってさまざまな場所が繁栄した

十字軍は大規模な軍事行動でしたので人や物の動きが活発になります。

人や物がたくさん集まり、よく動くと自然と町は整備され、繁栄することとなりました。

貨幣経済の発達と三圃制

三圃制と言われる農法で農業生産力が飛躍的に向上していたころに貨幣経済も発達してきます。

この頃は経済の発展に伴い、都市には暖かい毛織物や宝石など様々なぜいたく品が並べられていました。

もともと領主は農奴を支配して多くの生産物を納めさせていたのですが、ぜいたく品を手に入れるために貨幣を欲しがるようになりました。

そこで領主は農奴に生産物を納めるより貨幣で納めさせるようにします。

しかしこれは農奴と領主の関係に大きな変化を生むきっかけになります。

農奴は三圃制により農業生産力が向上しているので、今までより多くの生産物を作れるようになります。

お金は価値の保存が可能なので農奴は余った生産物をこつこつとお金に換え、子孫へと受け継いでいきました。

そして少しずつ経済力の高めて、領主へ強く出ることが出来るようになりました。

こういったことから農奴と領主の関係は徐々に変わっていきました。

ペストの大流行

14世紀にはペスト(黒死病)と呼ばれる病気が大流行しました。

この病気でヨーロッパの人口のおよそ3分の1は亡くなったとされています。

これによって経済状況は悪化したので領主は再び農奴から納税について強く取り締まるようになりました。

しかし農奴の経済力も上がっていたので反乱を起こすようになりました。

そして荘園領主が没落し、王の中央集権化が進んでいきました。

現在のコロナウイルスのように他にも未知のウイルス(スペイン風邪など)によってたくさん死者が出た時期がありました。

昔はウイルスの蔓延の後には人口が減って労働者の数が急激に減ったので労働者の賃金が上がるといった現象が起こっています。

経済は悪化しますがその後しばらくすれば賃金が上がるのですね。

これはよく考えてみるとそうかもしれませんがとても驚きました。

この後にどうなったを詳しく記載している文献を見つけることは出来ませんでしたが、普通に考えれば賃金が上がると消費は拡大するので経済は回復に向かったのではないでしょうか。

しかし今回のコロナウイルスに置き換えた場合、経済も産業も昔と同じ状況ではないので、賃金が上がったり消費が拡大するとは考えにくいと思いま

失業者は増え、人々は不安から貯蓄をするようになり、どんどん消費が減り、経済は衰退していくのではないでしょうか。

しかしこのような時代の変わり目に新しい産業が生まれるのも間違いないことだと思います。

様々な業態で時代の変わり目を迎え、上向いていく業界もあれば下向いていく業界もあるでしょう。

ここで時代の波に乗れた人は圧倒的な富を築き、乗り切れない人はどんどん貧しい暮らしになっていくと思いました。

こういったことから世界中で貧富の差が拡大し、平等化、社会主義運動が起きてくるような気がします。

大航海時代の経済の変化

15世紀ごろになると大航海時代が始まります。

ここでグローバル化が一気に進み、生活や経済が変化していきます。

今では世界中で食べられているメキシコ原産のトウモロコシが世界中に広がったり、様々な国のものが動いて生活革命が起きました。

そしてお金の原料となっていた銀ですが、中南米で新たに大規模な銀山が発見されたことにより、世界中にありふれた存在となります。

銀が世界中にありふれ、価値が急激に落ちたので、ここでもまた物の価値が急激に上がるインフレーションが発生します。

物価はそれまでよりも2~3倍に跳ね上がったのでこれを価格革命と呼びまた。

日本はこのころ世界の銀の3分の1を算出したと言われるほどの銀の産地になっていたみたいです。

重商主義(東インド会社)

各国の王が権威を維持するために重商主義という体制が進められました。

重商主義とは国を挙げてお金を稼ぐ体制のことを言います。

それまでは新大陸から銀や金を見つけて国庫に貯蓄する重金主義でした。

ここでオランダやイギリス、フランスが立ち上げた東インド会社は貿易の差額の利益を得る貿易差額主義の会社でした。

この東インド会社は国を挙げて稼ぐ国策会社でした。

そしてその中のオランダ東インド会社は株式会社のルーツを作りました。

信用創造

政府に資金を供給する民間銀行として立ち上げられたイングランド銀行ですが革新的な技術を打ち立てます。

信用創造という技術です。

信用創造とは銀行が貸付によって新たな通貨を創造することです。

これは以前別の本でご紹介しましたが、銀行はどこからお金を出しているのかというとどこからともなくパッと出すというやつですね。

紙幣や手形に信用があるので、実際のお金は手元に残り、信用のみで利子を取ることが出来るようになりまた。

大西洋革命

大西洋革命とは近世から近代へと移行する転換期に起きた産業革命・アメリカ独立革命・フランス革命などの革命を指します。

この頃に王が絶対的な権力を持つ時代から国民が主権を持つ時代へと変わっていきます。

そして特にここで貧富の二極化が進むようになります。

産業革命が起こったことにより資本家は圧倒的な富を手に入れましたが労働者は劣悪な環境で働きながら貧しい暮らしを強いられるようになりました。

デフレーション

現在の日本はデフレーション傾向がありますがデフレーションが起こるにも様々な理由があります。

1つの理由としては輸入が多くなることです。

輸入が多くなれば国内のお金は海外に流出します。

これによって国内の金回りが悪くなると自然と人件費や材料費が抑えられその国の製品が全体的に安くなってしまいます。

植民地を奪い合ってた理由

昔はヨーロッパ諸国が中心となり植民地の奪い合いをしていました。

なぜ植民地を奪い合っていたのかというと現在も重なる企業の姿が関係しています。

多くの企業で普通は巨額の借金から商品を生産し始めます。

そこで商品が売れればよいものの商品が売れなければ業績が悪化して借金を返せずに倒産となってしまいます。

その点植民地は企業にとって商品を独占的に販売できる市場であり、なおかつ原材料をとても安く仕入れることのできる魅力的な土地でした。

さらに海外への子会社設立など投資先としても魅力的だったため植民地を奪い合うようになっていたのです。

経済発展から起きた社会主義思想

先にも述べましたが経済の発展が進むと貧富の二極化が進みます。

この時、土地や工場を社会全体で共有し、その分け前を平等に分配しようという考え方が出てきます。

社会主義思想です。

この思想が興った背景には産業革命によって人の仕事が機械に置き換えられたこともありました。

現在の自動化に置き換えられている流れと一致する部分がありますね。

日本で進んだ産業の空洞化

日本は大幅な円高に為替相場を誘導するプラザ合意を飲まされた後、円高不況(外国で日本製品が売れなくなる)や産業の空洞化が起こります。

そこで日本の製造業は海外に拠点を移して、人件費の安い海外で製品を製作・販売し、生き残りを図ります。

現在も中国や東南アジア諸国に工場を持っている日本の製造業は多いですが、原因はここからなのですね。

これによって企業は利益を確保できましたが国内で働いていた人は仕事がなくなります。

こうして国内産業が国外へ流出して衰退してしまう産業の空洞化が起こるようになりました。

バブル経済と金利の引き下げ

産業の空洞化で説明したプラザ合意後、もう1つ大きな出来事が起こりました。

輸出製造業が大きな打撃を受けていたので日本銀行は政策的に金利を引き下げ、企業にお金を借りやすくして運転資金を回そうとしました。

しかし企業だけでなく誰でも低金利でお金を借りられるようになったことから、市民もお金を借りて土地や株式に投資して儲けようという動きが起こりました。

ここで土地や株価が実際の資産価値以上に高騰します。

そして最後に土地や株をつかんで売れなくなった企業や人が借金を返せなくなり、連鎖倒産が起きました。

これがバブル経済です。

現在も低金利で企業にお金を借りやすくし、景気を刺激しようとしているのですが、少子高齢化や日本企業特有の古い文化の影響で日本経済は伸び悩んでいます。

まとめ

この本は経済をこれから学ぼうと考えている初級者の方にとてもおすすめです!

できればこの本を読む前にこのシリーズの世界史を読むとより話が入ってきやすくなると思います。

この本を読むと得られるメリットは大きく以下の3点です。

  • 経済の歴史を知ることができる。
  • どうしてこのような経済の流れになっているのかを知ることができる。
  • これからの時代の流れを考えるうえでとても役に立つ知識を得られる。

特に初級者の方におすすめですが、復習にも役立つと思うので是非読んでみて下さい!


一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【経済編】 [ 山崎圭一 ]

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