書店などで起業の本を見たときによく目につくのは「どうすれば成功できるか」という所に焦点を当てた本です。
しかし成功を考えるのであれば、失敗例を知り、どのようにすれば失敗を回避できるのかを知ることも大切です。
そこで今回は起業の失敗を題材に描かれた本をご紹介したいと思います。
本のタイトルは「起業の失敗大全」です。
この本はハーバード・ビジネススクール教授が起業の失敗パターンについて的を絞っている本で起業カテゴリーの中で珍しい本となっています。
内容も様々なスタートアップの実例を用いて説明されており、勉強になる一冊でした。
それではご紹介していきたいと思います。
下記リンクでは起業のリアルが知れる本をご紹介しています。
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起業家必見!起業のリアルを知れる一冊!起業する前に必ず知っておくべき事とは?
起業する前に何をすべきかという題材について描かれている本はたくさんあります。 しかしその本の著者はほとんどがコンサルや大学の教授で実際に起業を経験していないという事実をご存じでしょうか。 この方たちの ...
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目次
どのような要因が失敗に結びつくのか
最も多い失敗要因とは?
スタートアップが失敗する要因の中で最も多いものは「市場のニーズがなかった」ということが挙げられます。
この失敗理由はスタートアップの半分以上が当てはまるそうです。
なぜこうなってしまうのかというと十分な顧客調査をせずにローンチを急いでしまったことが挙げられます。
このような失敗を避けるためによく用いられる方法で「リーンスタートアップ」という手法があります。
「リーンスタートアップ」とは、まずはテスト的にビジネスを開始し、顧客の反応を見ながら製品を改善、拡大を図っていく手法です。
テスト的に開始をするのでもちろんコストはあまりかけずに最速でPDCAサイクルを回します。
この手法を取れば、間違った方向に進んでいたとしてもダメージが少ない時点で気づくことができますし失敗の確率はかなり減ると思います。
しかし起業家は、イノベーションを起こしたいがあまりに世間にない新しいビジネスモデルや新技術の開発を試みたりします。
この考えが悪いというわけではありませんが、既存にあるビジネスモデルより現実的に失敗の確率は高いと思います。
上記を考えれば、既存にあるビジネスを何らかの形で差別化したり、既存のビジネス同士を組合わせたりして新しい形を創る方法が最も現実的だと思いました。
バランスが悪いと!?
起業家は総じてバランス良い人間であることが重要なポイントです。
例えば性格面だと「強気」と「慎重」の中間であることが好ましいですし、「頑固」と「ためらいがち」の中間が最も良いです。
ただし性格は意識して変えられるものではありませんし、自分の偏っている部分や足りない部分は他人の力を借りて補完することも重要です。
このことから特に自分の右腕になるような人は自分に似たような性格の人ではなく、極端に言えば性格が正反対のような人の方が好ましいです。
しかし他人の力を借りるとなった時に一つ失敗してしまうことがあります。
それは「どちらがボスか」を決めていないということです。
どちらが上かをはっきりと決めていないと、意見が食い違った時に前に進めずに失敗に終わってしまいます。
誰かと共同で創業する際などは注意しましょう。
業界での経験不足がもたらす障壁。
全く未経験の業界で起業して成功することは不可能ではありません。
しかし成功が難しいと言われるのも本当のところです。
業界での知識が少ないがためにあえて遠回りな方法を取ってしまうこともあるでしょう。
また、業界経験がない起業家は、その業界でのネットワークがないために、経験のある優秀な人材を集めるのに苦労することが多いそうです。
起業家はとにかくやってみるという精神も大事ですが、反対に業界のことをよく分析し客観的視点を持つことも重要です。
時には業界経験を積むために他社に勉強に行ったりすることも重要かもしれませんね。
判断が遅いと…
ビジネスは生ものという言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、起業家はこのことを肝に銘じておく必要があります。
生ものは時間がたつと腐ってしまいます。
すなわち、判断が遅く時間をかけすぎると事業失敗の可能性は高まります。
例えば何か新しい事業をスタートさせるためにお金や人材を投資したとしましょう。
しかし半年経っても1年経っても結果は出ず…
こういった時は投資したお金と時間がもったいなく感じ、客観的視点を持ちにくくなります。
人は結果が出ない要因などは他人のせいにしたい生き物です。
誰しも自分の非を認めたくありませんし、自分が失敗したと思いたくもありません。
こういった気持ちからビジネスの感度が鈍って判断が遅くなるため事業失敗の可能性が高くなります。
判断が遅くなればなるほど次に転換するときの労力は大きくなりますし、かかるべき資金も大きくなります。
簡単に言うと判断の遅さから、労力、時間、資金の面でどんどんとマイナスになっていくのです。
失敗時の方向転換は思ったよりも資金がかかり、次の結果が出る前に資金不足となることも多くあるそうです。
「起業の失敗大全」を読んでみて
この本を読んでみて一番感じたことは起業家はバランスが大事だということです。
やると決めたことはやり切る精神も重要ですが、うまくいかないときに踏ん切りをつけて撤退することも重要です。
他にも節約は大事ですがケチはいけないといった考え方なども出てきましたし、とにかくバランスが重要だと感じました。
そういったバランス感覚が養える明確な方法はきっとないと思いますが、常に情報をアップデートし、素直に謙虚でいることが重要だと感じました。
また、失敗時に最大限のダメージを受けないためにも事業開始の時点でゴール地点と撤退の期限は決めておくことの重要さも知りました。
それを決めていても判断は曇ってくると思いますし、身近に客観的視点で意見をくれる相談相手を作っておくことも大事だと思いました。
この本を読んで意識すること3つ!
- 素直で謙虚に過ごす。
- ゴールと期限を設定する。
- リーンスタートアップの手法を取る。
まとめ
起業をして成功を収めるためには失敗例を知っておくことも重要です。
今回ご紹介した「起業の失敗大全」は失敗例を学ぶには良い本です。
著者はアメリカの方なので話の内容はアメリカ企業のことが多かったですが、日本企業に当てはまることも多く勉強になった一冊でした。
特に今回は下記のような人におすすめの一冊です。
- 起業を考えている人
- 失敗例と失敗パターン
- これから新規事業を立ち上げる人
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