前回までは業界を広く浅く見てきましたが、今回は建設業界に絞って深堀していきたいと思います。
建設業界と言えば、いわゆる「3K(きつい、汚い、危険)」と呼ばれる、若者にはあまり人気のない業界です。
そうは言っても、建設業界はインフラを支えるとっても重要な業界の一つに間違いありません。
そして日本の建築技術は世界でもトップクラスのレベルを誇っています。
しかし、そんな建設業界は今、人材不足といった大きな課題を抱えています。
先ほども申し上げた通り、近年は若者に人気がなく、建築業界で働く人はどんどん減っています。
働く人が減少する一方で、高度経済成長期に建てられた建物が古くなってきていることもあり、建築の需要は一定数ある状況です。
一定数の需要はあるものの、人材不足の問題でこうした需要に立ち向かえず、また高度な技術を後世に伝えられない状況へと陥っています。
今回はこのような建設業の問題に立ち向かっている企業が紹介されている本について記載したいと思います。
本のタイトルは「建設業の未来を支える人づくり」です。
この本には「ワールドコーポレーション」という企業が紹介されています。
この企業は建設業界の人事部を目指すべく、建設業界の人材不足という問題に立ち向かっています。
それでは本の内容をご紹いきます!
下記リンクでは四季報を読んだ感想を記載しています。
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事業を考える。分野を絞る。困っている人や会社の役に立つ。
今回はこれから起業するにあたっての分野をある程度絞っていきたいと思う。 今回に至るまでに未来予測をしている本を数冊読んだり、トレンドを知るためにIPOの事業内容を調べたりしてきた。 さらに業界四季報を ...
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建設業が抱える問題
インフラの老朽化
上記でも少し触れましたが、高度経済成長期に建てられた建物が、今後20年の間に建設50年を超える割合が多くなってきます。
※この本は2016年末に刊行された本ですので、その時点での情報になります。
例えば道路橋は2016年時点で建築50年を超えるものが18%だったのに対し、2033年には67%になる見込みとなっています。
他にもトンネルは2033年に建築50年を超えるものが50%以上になると見込まれており、インフラ施設の老朽化問題が急務となっているのです。
しかし需要があっても日本の人口は減り続けているため、人材の確保が難しくなっているのは皆さんもご存じだと思います。
そのため、更新・修繕工事等の需要があっても、計画に移せないといった問題となっているのです。
人材不足問題
人材不足という観点で考えてみると、建設業だけでなく、保育・介護等、多くの業界で問題となっています。
ただ、建設業はその中でも3Kのイメージが強く、志望人数も少ないため、特に深刻な問題です。
しかし、志望人数が少ないとはいえ、人件費が高騰している中、正社員を雇うことはリスクが高いと考える会社も多くあります。
なぜかというと建設業は典型的な受注請負型産業なので受注時期が不確定であるからです。
このような問題に立ち向かっているのが「ワールドコーポレーション」という会社です。
建設業は原則、工事などの現場で直接作業をする仕事は禁じられていますが、設計、積算、施工・工程管理に関しては認められています。
この認められている分野で人材派遣を行い、人材不足問題の解消に努めています。
しかし、建設業というものは専門職なので、未経験の人材を派遣しても、人材不足の穴を埋めることは難しいです。
そこでワールドコーポレーションは自社で正社員で雇用した上に研修を行い、即戦力人材を派遣しています。
そのため、人材不足問題に大いに貢献している企業なのです。
働き手のメリット
派遣と言えば働く場所が一定期間で変わったりすることで、職場に慣れるのに時間がかかるというデメリットが考えられます。
しかし、正社員として雇用された上で様々な企業や現場に派遣されるというのは働き手からしてもメリットがあります。
どのようなメリットかというと、様々なところで働けるので様々な仕組みや働き方を知れるということです。
今の時代は終身雇用が崩壊しつつあります。
このような時代に様々な仕組みや方法を知れるのは、働き手の大きなメリットとなり、自身のスキルアップに繋がります。
この本を読んでみて
この本を読んでみて建設業界は人材不足の面以外でも多くの課題を抱えていると思います。
例えば建設業界はアナログな部分が多いのでDX化が他の業界に比べて遅れていたりすると思います。
また、建設業界と一括りに言っても、その仕事は多岐にわたります。
建設業と言えばかなり専門的な部分も多いと思うので、どこかにニッチなニーズが隠されているのではないかと思います。
具体的には出てきませんが、何かニーズがないか考えてみたいと思います。
まとめ
この本は建設業が抱える課題と人材不足問題に立ち向かっている企業が紹介されている本です。
人材不足と言えば、建設業だけではありませんし、こういった仕組みは他の業界にも活かせるかもしれません。
まずは伸びている会社がどのような事業を行っているのか、考えていくことが重要だと思いました。
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